旬の味は媚びない/Wild plants "akebi" and "myoga"

うわああああああ!
ゾル状の体内が透けて見えるよ!
・・・って、これあけびの種。いも虫じゃないよ。
東北は真っ赤な紅葉が綺麗ですが、9月下旬~10月中の話。
裏庭ではアケビとミョウガがとれました。
アケビの真ん中の「いも虫」は種を包む甘い固まり。口に入れるとふんわり・ぬるぬるして、白砂糖と柿のような甘さがある鳥に運んでもらうためでしょうかね。
でも、料理ではパカッとした「ふた」の部分を食べます。
醤油と油で煮て柔らかくするとほんのり苦くて美味しいののです。
例えて言うならふきのとうのてんぷらが苦い感じ。

ところでミョウガはどう生えてくるか知っているでしょうか。
これ。ミョウガの群生。北の日当たりの控えめなところで元気に生い茂るのです。

潜ってみると、下の茎は細くて見渡せます。
すでにアリスの手には新鮮なミョウガたち。
ナメクジと葉っぱの中を掻きわけて手摘みするのです。

実はミョウガは、土の中から生える花芽なのです。
ほんとに、ふきのとうみたい。花が咲いたら食べられないの。

ミョウガはスーパーで3本100円。
高めだから、丁寧にきざんで香りづけに。お豆腐やおそばにちょこっと。
しかし、バケツ一杯取れた日は、このまま醤油で炒めて食べてしまう。 調理中に生のまま醤油を付けてかじるのも美味しいのです。

ミョウガの花も可憐。
たっぷりした蕾からこぼれるように咲く薄黄の花。

野菜や果物には旬があって、その時期が一番おいしいですよね。
けれど、野生の「旬」って万人が好きになる美味しさのものは少ないと思うのです。
どこか完璧ではないんだけど、ここが今しか経験できない、そんな魅力があるように思えます。
これをアリスは、「媚びない味」と言ってみようかな。
秋は色々とれる。東北はナシ、リンゴ、ブドウ、ラ・フランスと、フルーツ天国になる。
すっごく美味しい。でも、収穫までに人間達が一生懸命手をかける必要がある。
磨かれたダイヤモンドは誰もが目を遣る逸品になるように、うまい・あまいが引き出される。
一年を通して売っている野菜や果物も美味しいけど、アリスの舌は「可もなく不可もなく」って言ってるようです。
一方アケビやミョウガは野生でも十分に育ちます。
そのかわり、苦味や風味が独特で、苦手な人もいるでしょう。
逆に、「この苦味とか渋みが良いんだよ」と待ち望んでいる人もいます。
子供のとき思わなかった、
大人になると、人は「ほろ苦さ」が欲しくなるのは何故なんでしょう。
「媚びない味」は、「別に人間に食べられるために生まれてきたんじゃないからね」と反抗しているみたい。けれどそれが美味しく感じてしまう、人間。もっと言うと、日本人という民族。
野生を支配しすぎず、その生きるための警戒心、素朴さ、希少さを、「良さ」とか「おもむき」として残すのね。
今年は、そんな味と出会いましたか?
アリスも「良い子」じゃなくて、「苦い」女の子なんだからね。
These pictures are Japanese wild autmn eatable plants "akebi" and "myoga". Akebi is a fruits. Myoga is called Japanese ginger. They're a little bitter taste but feel delicious.
The pictures taken in September and October.